会社都合退職(かいしゃつごうたいしょく)とは、労働契約解除の主たる原因が会社(使用者)による非自発的なものを言います。会社都合退職は使用者からの要求であっても労働者からの申し出であっても、労働契約解除の要因が使用者にあることから責任も使用者にありますので、労働者には解雇以上の経済的優遇やその要因であることへの必要補償をすることが大切です。
また会社都合退職はあくまでも「退職」であることから、労働者がこれを充分に納得していなければなりません。これを怠った場合は、「解雇」もしくは「解雇」以上の不利益を労働者が被ることになりますので、その性質上から労働基準法の違反で刑事告訴・強制捜査や民事上の不法行為(退職強要や使用者安全管理義務違反)として損害賠償を提起される恐れが充分にあります。
また「解雇」には解雇予告と(請求されたときの)解雇事由証明書が必要となります。
会社都合退職の例として、勤務先の経営悪化による人員整理、経営破綻(倒産、破産など)による退職(退社)が挙げられます。具体的な例として退職勧奨やいじめ・嫌がらせ、セクシャルハラスメントなどによる退職は労働者が自らの意思で労働契約の解除を申し出たとしても「会社都合」といえます。退職勧奨は、使用者から労働者への働きかけが原因なので会社都合と言えるます。事業縮小などによる希望退職の募集などがこの例に入ります。いじめ・嫌がらせ、セクシャルハラスメントは、労働者が自らの意思で労働契約の解除を申し出たとしてもそれは会社が安全配慮義務に違反(怠った)した不法行為といえますので会社都合といえます。過度な残業による疲労は、業務で生じたことが原因もしくは退職前にそのようなことがあった場合には、その因果関係が立証できなくてもその事実があれば、自らの意思で退職を申し出ても会社都合といえます。