福利厚生制度とは、賃金とは別に従業員の労働意欲向上のための諸政策であり、大別すると法定福利と法定外福利の二つに区分できます。法定福利は、法律で実施を定められた①健康保険②厚生年金③雇用保険④労災保険のことをいいます。法定外福利は、企業の任意で定めるもので、①住宅補助②慶弔見舞③レクリエーション④食事補助⑤財形貯蓄などがあります。法定福利に関して、保険料は、健康保険、厚生年金、雇用保険はそれぞれ労使の折半、労災保険は会社側が全額負担することになっています。法定外福利に関しては、一般に、勤続の長短により給付レベルに差はあるものの従業員に一律に設定されるものであり、その福利厚生制度を利用できる人とそうでない人が発生し、不公平感が発生することがある(例えば、借上社宅制度において、一定額の賃貸料を補助する場合において、持ち家の人や、親元から通勤する人には、このメリットを享受できないなどといったこと)点や、保養所などの施設の建設や維持管理の費用が負担となる点などの問題があります。