コース1 再就職、または雇用継続で働く 新たな会社に勤める人も、引き続き今までの会社で働くことができる人も、会社まかせでいられる手続きと、自分自身でやらなければならない手続きがあるので注意が必要です。たとえば年金は、働きながらでも受け取れますから、就職して給料をもらっていても自分で受給手続きが必要です。60歳以上の給料次第では、給料の額が大幅にダウンした場合に雇用保険から給付金がもらえる「高年齢雇用継続給付金」という制度もあります。会社によっては自分から申し出ないと手続きをしてくれないところもあるので注意してください。
コース2 新たに仕事を探す いちばん気軽に利用できるのがハローワークです。ここに出向いていき求職の申し込みをすれば、仕事探しを支援してくれます。また、公共職業訓練学校など、失業手当を受給しながら、手に職をつける手助けをしてくれる機関もあります。また、こうした公的機関のほかに、民間の人材紹介会社、あるいは派遣会社も視野に入れて職探しをしましょう。これからの日本の人口は減少の傾向にあり、仕事の経験が豊富な60歳以上の人材活用を考えている企業が増えてきました。こうした、60歳以上の人材だけをターゲットにした紹介会社や派遣会社も進出しています。
コース3 定年を境に、いったん休んでから仕事を探す 長い間懸命に働き、身も心も疲れ果ててしまったため、定年後はしばらく旅行や趣味を楽しみたい、その後、あらためて仕事について考えたいという人も増えています。その際にも、しておくべき手続きはありますから忘れずにいてください。一例として、失業手当の受給期間の延長申請は、退職後2ヵ月以内に必ずしておきましょう。定年後すぐに長期の海外旅行などに出て、帰ってきたときには手遅れということもあります。手続きさえしておけば、受給期間は最大1年延長でき、失業手当をもらいながら仕事探しができるのです。
コース4 まったく働かずに、年金だけで暮らす こうした場合には、働かなくても十分な老後の生活資金が得られるかどうかの見極めが必要です。60歳以降で年金生活をしている夫婦の平均的な月あたりの支出は、税金を含めて約28万円といわれています。現在、年金は段階的に支給時期や受給年齢が異なり、60歳時点での平均的な受給額は、月額で10万円ぐらいです。こうした事実を踏まえ、現実的なリタイア後の生活プランを考えていかなければなりません。実際のところ、定年後に職をもたず気ままに生活してみても、1年間ほどで飽きてしまうとのデータがあります。シルバー人材センターに登録したり、ボランティア活動に参加すれば、地域密着で社会との接点をもちながら、充実した生活が送れるでしょう。