平均賃金とは、これを算定すべき事由が発生した日以前3ヶ月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいいます(労働基準法第12条第1項本文)。平均賃金は、①解雇予告手当(労基法20条)②休業手当(労基法26条)③年次有給休暇中の賃金(労基法39条)④災害補償(労基法76条・77条・79条・80条・81条・82条)⑤減給制裁の制限(労基法91条)⑥じん肺法の転換手当(じん肺法第22条)、の金額を算定する場合の基礎となります。
①労働者を解雇する場合の予告に代わる解雇予告手当−平均賃金の30日分以上(労基法第20条)
②使用者の都合により休業させる場合に支払う休業手当−1日につき平均賃金の6割以上(労基法第26条)
③年次有給休暇を取得した日について平均賃金で支払う場合の賃金(労基法第39条)
④労働者が業務上負傷し、もしくは疾病にかかり、または死亡した場合の災害補償等(労基法第76条から82条、労災保険法)
※休業補償給付など労災保険給付の額の基礎として用いられる給付基礎日額も原則として平均賃金に相当する額とされています。
⑤ 減給制裁の制限額−1回の額は平均賃金の半額まで、何回も制裁する際は支払賃金総額の1割まで(労基法第91条)
⑥じん肺管理区分により地方労働局長が作業転換の勧奨または指示を行う際の転換手当− 平均賃金 の30日分または60日分(じん肺法第22条)
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